発行日:2024年8月20日
発行者:河出書房新社
文庫版 408ページ
20年の時を経て復活した伝説的な作家・佐藤泰志の文壇デビュー以前の未刊行作品を集成。みずみずしく痛々しい青春を描いていまなお鮮烈な光を放つその文学の誕生をはじめてあかす。
綾野剛、推薦!
「凡ゆる光を抉るその筆は、
彷徨う肉体たちへ生(なま)を刻む」
明日のことを僕は考えまいとした。しかし、確実に、もうひとつの朝はそこまでやってきた――。
苦しみの果ての輝きを見つめる表題作「もうひとつの朝」、高校三年生で書いた「市街戦のジャズメン」など、『きみの鳥はうたえる』で注目される以前に書かれた作品群から無二の盟友にして並走者・福間健二が精選した初期作品集。佐藤泰志の文学的原質が煌めく。
◎解説=福間恵子、解題=中澤雄大
《著者プロフィール》
佐藤 泰志 (サトウ ヤスシ)
1949年、北海道・函館生まれ。高校時代より小説を書き始める。「きみの鳥はうたえる」で81年下半期芥川賞候補になり、以降4回、同賞候補に。89年『そこのみにて光輝く』で三島賞候補。90年、自死。
《編者プロフィール》
福間 健二 (フクマ ケンジ)
1949年生まれ。映画監督。詩集に『青い家』(萩原朔太郎賞・藤村記念歴程賞受賞)、著書に『佐藤泰志 そこに彼はいた』、映画作品に『きのう生まれたわけじゃない』他。2023年、没。
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