発行日:2024年6月14日
発行者:岩波書店
文庫版 234ページ
フェミニズムとは、女の解放を意図しながら、「女」と位置付けられている者以外にフェミニズムを開いていくこと──最良の入門書であるとともに、男/女のカテゴリーを徹底的に解析する本書は、性差の虚構性を暴き、この身体から未来を展望する可能性を示す。齋藤純一氏との『思想』対談を付して文庫化。(解説=岡野八代)
《目次》
はじめに――いまフェミニズムを書くことについて
Ⅰ どこから来て、そしてどこまで来たのか
前=啓蒙主義の時代
錯綜性と矛盾の胚胎
初期の女性運動――セネカ・フォールズ大会の場合
第一波フェミニズムと「ドメスティック・イデオロギー」
第二波フェミニズムとマルクス主義
ジェンダー
ラディカル性と連帯意識
本質主義
精神分析に対する両面的なアプローチ
セクシュアリティ
Ⅱ どこへ行くのか
第1章 身体
1 身体的性差という虚構
2 〈女のエクリチュール/身体〉のアポーリア
3 形態論をめぐるフェミニズムの可能性
第2章 慣習
1 ジェンダー化され、ジェンダー化するハビトゥス
2 ホモソーシャルな公的領域
3 ポスト・ファミリーに向けて
第3章 グローバル化
1 境界によって分断される女
2 他者性の呪縛
3 グローバル化とフェミニズム
Ⅲ 基本文献案内
あとがき
対談 親密圏と公共圏の〈あいだ〉――孤独と正義をめぐって……………齋藤純一・竹村和子
解説 未来からもたらされた、フェミニズム……………岡野八代
《著者プロフィール》
竹村和子
1954‒2011年.元お茶の水女子大学大学院教授.お茶の水女子大学大学院修士課程修了,筑波大学大学院博士課程退学.博士(人文科学).専門は英語圏文学,批評理論,フェミニズム/セクシュアリティ研究.著書に,『愛について』(2002),『文学力の挑戦』(2012),『彼女は何を視ているのか』(2012)ほか,訳書に,J. バトラー『ジェンダー・トラブル』(1999),『触発する言葉』(2004),トリン・T. ミンハ『女性・ネイティヴ・他者』(1995)ほか多数.
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