
愉快痛快、山内マリコさんのエッセイです。同棲、結婚生活の中で家事における負担を男女平等にするべく奮闘する日々の様子が描かれています。一方だけが攻撃的に持論を展開しがちな問題ですが、山内さんのパートナーさんからのレスポンスも記載されていて、双方の意見を聞くことができるのが個人的に良かった点でした。
人と人とが理解し合う時、全ての感情をぶつけ、それを全て引き受けてもらうことが、関係を深めることなのだと私も思いがちでしたが(というか良く考えもせずそうしていたかも)感情や発言を、一旦落ち着けて考えてみたいと思いました。そこからそうなるに至った社会の構造などが見えてくるかもしれません。そしてもう一点、感情的になった後に生理がやって来ると、荒ぶってすいませんでした、、PMSでした、、となることって良くあるシチュエーションだと思うのですが、その感情の行き先って?感じたことは本当で、その時の自分もほんもの。PMSで全て片付けてしまうことに、私も実は違和感を感じていたことに読んで気付きました。そんな色々を無かったことにせず、時間をかけて話し合っていく山内さんの諦めない姿はとても頼もしい。同じく、ちくま文庫から出ている獅子文六さんの「娘と私」へのオマージュとなっている表紙も素敵です。内容も少し呼応する部分もあり、ぜひこちらも併せてどうぞ。
(NINE STORIES かとうさおり)
発行日:2024年2月10日
発行所:筑摩書房
文庫判 352ページ
定価:税込924円
3月8日の国際女性デーに合わせ、1003で開催中の女性の生き方を考えるブックフェア ”WOMEN’S READING MARCH”。
生き方そのものに勇気づけられる女性の本、女が本を読むこと・書くことについての本、シスターフッドを祝福する本、フェミニズムについて学び考える本を並べました。
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